麦と葡萄じゆうちょう

恵比寿南のワインバー「麦と葡萄」の店主のページ。酒のこと、店のこと、その他いろいろ。

クーパレッジ

「クーパレッジ」

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私が仕事中に着けているスペイサイドクーパレッジのピンバッジ

ウイスキーファンでもこの言葉を知っている方はかなりマニアックといえるでしょう。

熟成に樽が欠かせないウイスキーの世界には、樽の製造補修を専門に行う職人「クーパー」がいます。そして樽の製造補修工場のことを「クーパレッジ」というわけです。

きょうはスコットランドのクーパレッジの写真を少し紹介します。

ロンドンからスコットランドの首都エジンバラまでは北方へ約530km。

そのエジンバラから更に北へ170kmほど行くとスコッチウイスキーの聖地ともいうべきスペイサイドと呼ばれるエリアがあります。合計約700km。

日本でいうと東京から函館のさらに北へ数十kmくらいの距離です。

 

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スペイサイドの町キースのアイラクーパレッジ

 まずは、「アイラクーパレッジ」 こじんまりした工場です。数人の職人が黙々と樽の補修をしています。一人が一樽を最後まで仕上げていくようです。

工場内はハンマーで鉄のフープ(樽を保持するための鉄帯)を叩くガンガンという音と機械が動く音でかなりの騒々しさです。

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樽にフープ(鉄帯)を付ける専用の機械

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次の写真はスペイサイドのダフタウンからクライゲラヒへ向かう途中にある「スペイサイドクーパレッジ」こちらは観光客にも開放されていて、見学コースもある大きな工場です。

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立派なビジターセンターがあるスペイサイドクーパレッジの入口

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かなりの重労働のためガタイの良いオヤジが多い

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漏れがないかなどをしっかりチェック

傷ついた樽はこのようにクーパーが補修を施し70年くらいは大切に使われ続けます。

そもそも樽になる前から森で100年以上生きてきた樹が多いのです。

そんなことを考えながらバーのカウンターでウイスキーと向き合うと、自分よりも長い長い年月を生きてきた大先輩に思わず姿勢を正してしまいそうです。

 

ちょうど10年前の2010年、スコットランドの蒸留所やヨーロッパのワイン産地をめぐる旅をしていました。クーパレッジの写真もその時のものです。そんなわけで初ブログはウイスキーにもワインにも縁の深い樽工場を紹介しました。

今後も当時のことを思い出しながら少しずつ書いていきたいと思います。

 

加治