スコットランド スカイ島
今日は銘酒「タリスカー」の故郷、スカイ島。
「舌の上で爆発するような」とか、「黒胡椒やスパイス」とか「力強く強烈な舌触り」とか飲んだことのない者にしたら「ホントにウイスキーなの?」と思うほどの表現が出てきます。
ウイスキー評論家の故マイケルジャクソンさんも自著のなかでタリスカーのハウススタイルを「火山のように激しい」などと言っています。
そんな酒の故郷とはどんなところなんでしょうか?
まずは場所から。(赤い印がスカイ島)
スコットランドの西岸にはヘブリディーズ諸島といわれる大小様々な島が存在します。
その島々は本土に近いインナーヘブリディーズ諸島と、さらにその西にあるアウターヘブリディーズ諸島とに分けられます。スカイ島はインナーヘブリディーズ諸島最大の島です。
いたるところで巨岩がむき出しになっていて「巨大な岩でできた島」という印象です。
断崖絶壁に荒波が打ち付け「落ちたら死ぬな」というところが沢山あります。もちろんガードレールなどありません。
また気象条件も厳しく天気の急変もしばしば。空が急に暗くなり、土砂降りの雨さらには雹まで降ったかと思うと数分後には太陽がキラキラと輝き、もう目が回りそうです。
「タリスカー」が前述のように形容されるのは単に香りや味わいだけでなく、このような厳しい自然環境、気象条件のなかで育まれたことも関係しているのではないでしょうか?
それではいよいよ蒸留所の写真をといいたいところですが、蒸留所内部は撮影禁止。
マニアックなことをいうと、特徴的なラインアーム(蒸留器と冷却装置をつなぐ部分)を写真に撮りたかったのですが…。残念!
ツアーに参加すると精麦→糖化→発酵→蒸留→熟成と順を追って見せてくれます。
仕込みの量は何トンで酵母はどこどこ社製のなになにで、発酵槽の材質は何々で大きさはどうのこうの…。などなど、どこの蒸留所もまずはスペック的なことを説明してくれます。興味がなければ聞き流しても良いでしょう。私もその辺はほとんどスルーです。そもそも英語が得意ではないので細かい数値など呪文のようにしか聞こえません。
蒸留所ツアーのハイライトは何といっても迫力あるポットスチルの姿でしょう。
スコッチウイスキーは蒸留所によってポットスチルの形が違います。これは出来上がるウイスキーの香り、味わいを決める重要な要素のうちの一つです。
本やネットで見てなんとなく知っているものの、目の前でみると「おぉーこれか!」となるわけです。(ブルゴーニュの有名な畑などを見た時と同じです。)また蒸留所によっては発酵途中のもろみを飲ませてくれたり、精麦作業を体験させてくれるところもあります。アイラ島のラフロイグ蒸留所などは麦芽を乾燥中の、煙がモクモク立ち込める部屋にまで入れてくれました。
写真では伝わらない匂いや温度、雰囲気などを感じることができるのが現地を訪れる醍醐味です。
今となっては行きたいところに自由に行けた日々が懐かしいです。
一日も早く事態が収束することを願うばかりです。
以下の写真はおまけ。
海に囲まれているだけあって魚介類は豊富でした。味は想像にお任せします。